長期相続等未了土地相続人調査を今年度も受託して、調査を続けています。長期相続等未了土地相続人調査とは何ぞやというと長期間相続登記がされていないであろうと思われる土地について、法務局から依頼を受けて、相続人を確定していくというものです。
甲府地方法務局管内では、平成30年度は1000件、令和元年度は650件、令和2年度は350件の登記名義人について、調査をしています。調査の対象となるのは、登記名義人が亡くなってから30年を経過したものとなっており、かなり古くに亡くなっているものもあります。
ただ、旧民法の時代にお亡くなりになった場合には、「家督相続人」が選ばれているケースがほとんどで、その場合はそこで相続人は1人になります。そして、その家督相続人がお亡くなりになっていたとしても、その子供の数も2~3人で、その子供がお亡くなりになっていたとしても、そんなに相続人が増えることはなく、相続人は多くても2~30人の案件がほとんどでした。
今、頑張って相続人を確定している案件は、登記名義人は昭和30年代にお亡くなりになっており、子供がいません。そのため、登記名義人の兄弟姉妹を確定し、兄弟姉妹がお亡くなりになっているので、その子供、孫を確定していく必要があります。そのうえ、登記名義人の配偶者が登記名義人よりも後に死亡しているため、その配偶者も同じように兄弟姉妹を確定し、兄弟姉妹がお亡くなりになっているので、その子供、孫を確定していく必要があります。
現在、生存者は100名を超えましたが、相続人であることが確定できていない方が60名くらいいらっしゃいます。この60名の方のうち、大正生まれの方もいらっしゃるので、最終的に相続人は何人になるのか、まったく分かりません。
相続登記が義務化されるようですが、このような案件で、実際に登記をするのに書類を集めるだけでも相当大変なんじゃないかなと思っています。本当に相続登記はお早めに!と声を大にして言いたいです。